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焔の誓い(京呉番外編)第七話

※血液・ズタボロセクシー注意報。

「な…」
右京は冷や汗を一筋垂らした。左手の炎を高く翳してその何かの正体を確かめる勇気もない。
何か、毛むくじゃらっぽい。何だっけ。授業で習った気が…
右京が考えている暇もなく、その化け物は爪を振るってきた。
「ぎょえーっ?!!」
右京は間一髪で避けて杖を横様に思いきり振る。ごぅっ、きな臭いにおいがして、紛れもなく生き物の肉を焦がす灼熱の炎が飛び出した。化け物は一瞬だけ怯んだ様子を見せたが、すぐに体勢を整え炎を突き破って拳を繰り出してきた。
「わーっ!」
慌てて避ける右京。
こんなデカイ妖魔一人で相手にするの、初めてなのに!!
右京はどうすれば良いのかわからず、とにかくハチャメチャに杖を振り回す。その度に威嚇的なまでに真っ赤に燃える、高温の炎が吹き出した。しかし毛むくじゃらの妖魔は筋骨隆々の腕を振り回して炎をあたかも靄か何かのように易々と払っていく。
赤い炎に反射して、奴の指先を飾る鋭い鉤爪と、裂けた口の中にずらりと並ぶ長い牙が一つ残らずぎらりと煌めいた。
お、思い出した!こいつ狼男だ!!
しかし、思い出したからと言ってどうにかなるものではない。狼男は炎を恐れもしないのだ。
なんか、銀製のものでもあれば良いんだけど!
勿論そんなものはどこにもない。右京の魔力属性は炎のため、金属性魔導士のように適当な物質から銀を造り出すことも出来はしない。
どうする?!
その時、右京は閃いた。狼男の攻撃を交わし、高く跳ぶ。
「?!」
突然見えなくなった右京の姿を探し、狼男はキョロキョロと辺りを見回した。
ゴーッ。
突如、狼男の足元からガスバーナーのように熱く細い炎が目玉を目掛けて飛び出してきた。
「ぐぉあああっ?!」
狼男は炎が直撃した左目を押さえながら、いつの間にか地面に伏せていた右京を踏みつけようと脚を上げる。右京は素早く転がって狼男の脚を避け、さっと立ち上がって右目に杖先を向ける。飛び切り熱い炎が、狼男の右目を焼いた。
「ぐぎゃああああ!!!」
両目を潰された狼男は、戦闘意欲を失って右京に背を向け、一心不乱に逃げ出した。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
長い尻尾をくるりと巻いた狼男の後ろ姿が遠ざかっていくのを見送りながら、右京は激しく息を吐いた。
こ、怖かった。
右京は今度こそ小瓶を手に、なおも赤々と禍々しく輝く水を掬おうと泉に近づいた。
と、そこで右京はぼろぼろになった何かが横たわっているのに気が付いた。
さっきの狼男が置いていったのか。弱小妖魔か何かか、とにかく可哀想に。
右京はそれに近づいて、再び手のひらに灯した炎と泉の灯りで姿を良く見た。
その顔を見た瞬間、右京は思わず飛び退いた。彼女は紛れもなく、あの実戦の日に自分たちが酷く傷つけて捕らえた、吸血鬼の少女だったのだ。少女は枯れ枝のように細い身体にシーツのような汚れた布一枚だけを巻き付けて虫の息で横たわっていた。

何でこんなとこに?

右京は前回見た時と比べてげっそりやつれ、弱りきった少女の姿に驚愕と戸惑いを隠せない様子で暫く見つめていた。強くなると決めても、傷つけたものたちに対する後ろめたさが消えたわけではない。しかも、この様子では最後に彼女を見てから今日まで、残虐な扱いを受けてきたことは明らかだ。血や泥や皮脂で汚れきった長い髪に埋もれるようにして目を閉じる少女は、殆んど死にかけているように見えた。
自分の罪を改めて突き付けられたような気がして動けなくなってしまった右京の前で、不意に少女が目を覚ました。少女は目の前にあの夜、家族を惨殺した魔法使いの一人がいることに気が付くと、今までぐったりしていたのがまるで嘘のように敏捷な動きで起き上がり、掴みかかってきた。
「ひっ!」
右京は間一髪で少女の鋭い爪がダイレクトに自分の顔面を引き裂くのを免れた。右京は腰を落とした姿勢で、目を固く閉じたまま、何歩か後退りしたが、次の攻撃が飛んでくる気配がないのを不審に思って恐る恐る目を開けた。すると少女は地面に手をつき、荒い息を吐いていた。そのまま数回激しい咳をして、赤黒い血がばっと地面に飛び散った。
「おいっ、大丈夫か?!」
咳とともに血を吐き続ける少女に、右京は今しがた殺されかけていたことも忘れて駆け寄った。右京の手が肩に触れるか触れないかのうちに少女はその手を払う。
「触るな!」
少女は紙のように白い顔をしているのに、驚くほど赤く爛々と炯る大きな瞳を右京に向けて、がさがさに嗄れた声で言った。その目には、右京に対する憎しみと蔑みだけが宿っていた。許されるなら、右京の四肢をすぐにでもその爪で引き裂いてバラバラにしてやりたいと思うのに、もう引っ掻き傷一つつけてやる力も残っていないのだ。
右京はまた暫く、身体の痛みと悔しさで項垂れる少女を見ていたが、何を思ったか突然制服の左腕の袖を肘まで捲った。そして、ズボンのポケットからナイフを取り出し、刃で腕の内側を切り裂いた。五センチほど切られた深い傷から、瞬く間に真紅の血が溢れだした。
それを見ていた少女は、顔をあげて低い声で呟いた。
「何のつもりだ。」
右京は構わず、少女の鼻先に血の滴り落ちる腕を差し出した。
「飲めよ。好きなだけ。」
右京は少女を真っ直ぐ見据えていた。少女は怒りに顔を歪め、叫ぶ。
「私に命令するな、私は魔法使いの施しなんか受けない!」
「飲まなきゃ死ぬぞ。」
右京は自分の人生史上かつてないほど冷静に言う。
「やっぱり俺は、目の前で誰か死ぬのは嫌だ。だから、飲んでくれ。」
「…」
右京は腕をさらに少女に向けてくる。少女は蔑んだように笑う。
「それで自分は、ここで殺されても良いと?」
久しく目にしなかった人間の血は、泉の明かりを受けて宝石のように輝いていた。芳しい香りが飢えた吸血鬼の本能を刺激する。
少女は全く逃げ出す様子も見せず、全てを投げ出す右京に戸惑い、また食欲に抗えない自分を浅ましいとすら思いながらも、右京の傷口にゆっくりと唇を近付けていく。
「…」
少女は途中で止める。唇を結んで拒絶しようとするが、なおも魅惑的に煌めく赤は、疲労しきった脳の最後の理性を奪い取っていく。
少女はついに右京の傷口に小さな牙を立てた。浅くない傷をさらに抉られる痛み。それ以上に恐怖。またそれ以上の、傷付いた少女への、哀れみとかすまなさとか、そんなの。
悪いな日和。親父。朱夏。…比丘尼さん。
右京は死を覚悟し、目を閉じた。



何時間も経ってから、右京は再び目を覚ました。霞んだ視界は次第にはっきり像を結び、気を失う前と変わらない、だだっ広い洞穴と赤々と燃える泉を網膜上に映し出した。
…生きてる?
右京はゆっくり身体を起こした。頭がぼうっとする。身体がだるい。心なしか寒気もする。右京は左腕を見た。傷は、赤く刻まれズキズキ痛んでいたが、流血は既に止まっていた。
右京はキョロキョロと周りを見回す。しかし、既に少女の姿はなかった。
何で、助けられたんだ、俺。
右京は疑問に思いながらも、ふらふらと立ち上がった。
「だからっ、誰か生徒が侵入したのを確かに見たんですよ!」
聞き覚えがある声が、かなり近くから岩盤に反響しながら聞こえてきた。この迷宮の管理人だ。
「それの何が問題なんだよ、そいつが強けりゃ脱出できるだろうし弱けりゃどっかで死んでるだろうし。それだけだろう。」
誰か連れてきたらしい。彼に対して面倒臭そうに答える声が聞こえてきた。
「問題大有りですよ生徒の家族とか煩いし、私が全ての責任を取らされるんですから…」
カツン、コツンと足音も響いてきた。やがて曲がり角の向こうからカンテラの灯りがはみ出してきて、二人の魔法使いの姿が現れた。右京は天井の隅、影になっているところに貼り付きながら息を潜めて二人が通りすぎるのを待ち、彼らの姿が見えなくなってから地面に飛びおり、出口に向かって走り出した。
あの様子じゃ多分、そんな大事にはされてないだろう。
右京の予想通り、午後三時なんて誰もが疲れて眠るこの時間では、見張りは誰もいなかった。右京は難なく扉を抜け、地下迷宮からも闘技場からも脱出できた。そのかわり、外に出てすぐ、目に飛び込んできた午後の太陽の眩しさに、ここ半日で肉体と精神に受けたダメージの全てを思い出し、寮に帰り着くことすら出来ずに酔っ払い不良学生みたいに道の途中の公園のベンチに凭れ、その日の授業の半分が終わるまで睡眠を貪り続けたのであったが。

翌日。
『グレーテルの花園』で、三ノ輪たちが、右京から赤く輝く小瓶を受け取り、にやりと下卑た笑みを浮かべる。
「ありがとよ。約束通り薬が出来たら…」
「言っただろ、いらねえからもう二度と巻き込まないでくれ」
右京は素っ気なく言いながら立ち去っていった。
「ま、残念だったな。一級魔導士候補が無事に戻ってきて。」
ピアスだらけの少年が、日和に向かってバカにしたように鼻で笑う。
「…」
日和は少年を睨み付ける。
「あいつ包帯してたな。」
三ノ輪が言う。ピアスは今度は声をあげて笑った。
「無傷じゃそりゃあ済まねえだろう。痛えといいな。」

結局右京の侵入はバレずに済み、何の罰も受けることなくこの事件は終わった。学校中の生徒に『ダイダロスの迷宮に侵入したバカ者がいたらしい、次見付けたら退学にするんでよろしく』と書かれたプリントが配られ、毎日授業終了後二時間ほどあの管理人含め数人の魔導士が闘技場を警備するということに決まったが。
しかし、右京自身はそれで終わることが出来なかった。
吸血鬼とはいえ、姿かたちは殆んど人間の少女であるあの子が、あんな恐ろしい場所に、あんな格好で置いておかれている。自分が見てきたものが、想像出来なかったことでは無いとはいえ、やはり衝撃的だったのだ。
右京の心には、二つ目の決意が生まれていた。



※やっぱり透明になれる設定なしにします。都合良すぎる。回転女史にはなれんわ。
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8月22日レポート

色々あって日記書けないでいるけどせめて8月が終わる前には記しておきたい…!

その日は高校時代からの友人たちと集まって静岡の街を満喫してまいりました。実に7ヶ月振り。一番最近会ったぺー君すら4ヶ月振り。しかし悲しいかな、みんな様々な用事があるので待ち合わせの正午に居たのは結局私とぺー君の二人だけであったよ。ぺー君には以前借りていた勝田文作品を返却し、代りに『ネウロ』のH∧L編までを貸しました。
いつものように漫画を探す。T書店、アニメイト、J書店と本屋をハシゴして私は『謎の彼女X3』『アバンチュリエ3』『バベルハイムの商人』『アラゴ9』を買い集めました。『鬼灯の冷徹6』は残念ながら23日発売。後日28日に、伊那市街地に出た折りに買ってまいりました。だ、断じて実験サボったわけではないっ、アレルギー検査しに行った帰りにせっかくだから…因みにMVPネタはオジヤ。
帰宅後読んでみて、どれも面白かったです。でも、アバンチュリエのルパンは、性格的に今回ちょっと…。冷酷な美青年は好物ですが、表立って人を見下すのはどうかな?いや、見下すタイプでも好きなキャラは好きだから…(ネウロさんとか)んー、何故かな。少し陰湿さを感じるからかもしれない。バベルハイムは、なかなかハイセンスだと思います。個人的にはユージンをボケた振りして海千山千なおばあちゃんと対決させてみたい。
漫画レビューはそこら辺にして話を戻します。
途中、お昼としてベーカリーカフェに寄りました。『サンジュ』、と言います。元々あるホテルのベーカリー部門が独立したお店らしい。カレーパンが野菜たっぷりで絶品でした。チョコクロワッサンと胡桃やレーズンのパンも良い感じ。あと、ドリンクがあれだけコップがでかくて120~180円とはかなり良心的と思いました。窓からお堀の木々が見えるのもナイス。
午後、もいさんときーばらと合流。きーばら、かんざし素敵!

少し街をふらふらして、ドトールに入りました。頼んだドリンクがキレイに4つに分かれる謎…!!マジメな話、無駄に同化しないのもずっと友達で居られる理由の一つだろうか、とか考察してみたりして。しかしドトールは美味しいドリンクが多い。一口貰ったピーチジュースうまー。
ぺー君に恒例・マジラバ漫画版(画像、表紙だけで申し訳ない…)を頂く。ぺー君のキャラは少年だろうと少女だろうとフリーターだろうとマスコットだろうとどれもイキイキしていて大変好ましい(←ネウロ風に)。あと単純に私はコマ割りと言うものが苦手なので漫画が描けるだけで素晴らしいと思うのだよ。
しかもプラス、みんなでホーリー少年版を描いてくれました!あっ、もいさんのホーリー貰うの忘れた!うわーん。画像二枚目はきーばらさんの。ふんわりキュートなホーリーだぜ。一人のキャラでもこんなに個性豊かになるもんだなあ、と感心。あともいさんのスマホの、顔を撮影すると勝手に表情変えてくれるアプリで遊んでました。個人的には京都のあぶらとり紙のあの女性に美しかったで賞を、ユーモア賞はカメオくん(〓ぺー君)にあげたいと思う。

夕方からは、社会人してるなっちとも合流。
仕事で疲れているであろうなっちに如何にして喉を酷使するカラオケハウス行きを納得させるか知恵を絞った結果、四人全員があるメールを一斉送信するという結論に達しました。
『カラオケにする?ご飯にする?それともカラオケ?』
題名は一文字ずつ『カ』『ラ』『オ』『ケ』。
20分後、夕闇の街を全速力で走ってくる女性が一人。彼女は脚を高く上げ、そして…
もいさんすまぬ、他の三人の罪まで負って…(ホロリ)

カラオケではみんなはっちゃけて歌ってました。沌夕なんてチャイナ服だったしな!高2の修学旅行思い出すぜ。今更ながらチャイナ服をもっと生かして『猫飯店メニューソース』でも歌うべきだったかと少し後悔。しかし…ボカロ曲とか、みんなどこから仕入れて来るんだ?

そんなこんなで、一日中めっちゃ楽しかったです!たまにしか会えないけど、高校卒業して何年経ってもこうして遊べる幸せに感謝。

そして、その時は…県庁職員試験が落ちているとは…知る由もなかったのだ…

で、でもあまりあるくらい元気補充したし、また頑張るよ!

六話続き・後で纏めます

「んなこと言ったって…」
右京は今更ながら溜め息をつく。
何であんなアホらしいこと、請け負っちまったんだろう?しかし、今からあの怖そーな日和の友人たちに『やっぱり止めた』と言うのは、その反応を予想するとダイダロスの迷宮で負傷するのに匹敵するくらい恐ろしいし、何より男がすたる。
「よしっ!」
右京は拳を握って立ち上がった。

月曜日。
右京は授業が終わるやいなや、教室をいち早く飛び出していった。あの日以来、比丘尼は何も声をかけて来ない。今日も、今までは授業の片付けも手伝わずに帰ろうとする右京を怒鳴り付けていたのに、走り去る右京を下を向いてやり過ごしていた。日和も何も言わなかった。
右京はそんな彼らの反応が少しばかり気掛かりであったが、気にしない振りをして闘技場(講堂改め)へと向かう。

茶色いタイルがびっしり張られた、一目見ただけでのし掛かられるような威圧感を感じる建物。それが年に一度、一級魔導士試験の時に用いられる特別闘技場であった。右京は実はここに来たことがない。一級魔導士もそれ以外の階級も、昇級試験を同時に行うからだ。一年生から、五級、四級、三級、二級、と特別な事情がない限りの最速のスピードでとんとんと昇級していった右京は、一級魔導士試験の会場の中を見るのはこれがはじめてであった。
「広いな…」
それなりに長い廊下を抜け、広間に出た右京は周りを見渡す。壁一面、ぐるりと、天井まで無数の段になって、石の長椅子が並べられていた。
真ん中の一番低いところは、床に四角い石畳が張られている。良く見ると広間の隅、床に小さな黒い扉のようなものが取り付けられている。
もしかして、ここから侵入するのかな?
右京は広間を駆け足で横切り、扉に近づく。右京はしゃがんで、扉を観察した。それは黒檀で造られ、真鍮の取っ手が着いたものだった。人一人以上が余裕を持って通ることが出来る大きさだ。鍵穴はついていない。恐らく、扉をあける為の特殊な魔法があるのだろう。ヘタに適当な魔法をかけると、扉から反撃される恐れがある。例えば天魔連中に響き渡る大音量で警報がなるとか。ならば、あの三ノ輪とかいう学生が言っていた通り、時が来るまで待つのが得策だ。右京は一度立ち上がり、扉から少し離れた辺りの長椅子の下に潜り込んだ。
状況は、一時間ほど経って曲げたままの右京の足腰がいい加減感覚が無くなってきた頃に変化した。
カツン、コツンと石畳を革靴で蹴る音が遠くから響いてきたのだ。
右京は狭い空間の中でやっとのことで杖を振り、身体と服を透き通らせた。足音の主、地下迷宮の管理人が広間に入ってきた頃には、右京は既に薄手のクリスタルガラスのように周囲に溶け込めるほど透明になっていたが、何分『水』属性の魔法は苦手だ。いつまで持つかわかったものではない。しかも足音や気配までは消せない。右京は息を殺して忍び足で、いつ気付かれても逃げやすいように管理人の黒い衣服の男の背後に周りながら近づいていった。
管理人は扉の側でしゃがむと、杖を取り出し小さく呟いた。
「悪女の心理学(イフタフヤーシムシム)!」
扉はパカッと、間抜けな音を立てて左右に開いた。管理人は扉のすぐ下にあるらしい梯子を伝い、そろそろと降りていった。管理人の頭が完全に地下に隠れた頃、扉はぎぎぃ…と軋んでゆっくりと閉じかけた。右京は慌てて扉に手を掛けた。
この男、降りるの遅え!
右京が扉をあらんかぎりの力で引っ張ろうとするが、扉は頑固に秘密の入り口を守るべく、閉じようとする。
くそ、もう構うものか。
右京は思いきって入り口に飛び込み、扉から手を離した。その瞬間、ゴゥン、と木製の癖にやたら重い音を立てて閉じた。

「ぎゃー以外と高けェー!」

右京はウサギを追いかけているアリスもかくや、というほど長い距離をGに従って落ちていった。「おい、誰だ!!」
つい口から飛び出した叫び声のせいか、透明になる魔法の効果が切れたのか、はたまたその両方か、右京の遥か上からあの管理人の声がしてオレンジの閃光が何本か降ってきた。
「わっ、たっ!」
右京は空中で落ちながら新手の創作ダンスを踊るように閃光を避ける。
幸運なことにあの管理人は飛行術の類いは使えないようだ。
右京はそれで思いだし、杖を軽く振った。
実は右京もまだ飛行できないが、落下速度を緩めるくらいなら出来る。右京は羽根の一片の如く、ふわりふわりと空を漂いながら、果てしない暗闇を落ちていった。
やがて右京は両膝が固い地面に着くのを感じた。魔法無しで落ちるよりは随分軽い衝撃に、右京はそれでもつんのめりながら、立ち上がった。
「暗い…」
そこは落ちている途中より暗い、無限の闇が広がる場所だった。ランプも、鬼火一つも見当たらない。右京は仕方無く、左手のひらに息を吹き掛けて真っ赤な炎を灯す。炎は油もないのに、また右京の肉体を焼くこともなくゆらゆらと揺れた。
右京は炎の明かりだけを頼りにゆっくりと歩き出した。カラン、カランと響く、自身の足音と、たまに小動物の骨を踏み潰す乾いた音しかしない、絶対的な静寂。
しかし。何となくだが、どこに向かって歩けばいいのかだけは解る気がする。
焦げたトウガラシに柑橘類が混ざったような不思議な臭いが漂ってくる、気がするのだ。右京は慎重に、落下地点からどのように進んでいるのか頭にインプットしながら歩みを進める。
右に左に曲がったり、坂を昇ったり、階段を降りたり、必要以上に複雑なルートを辿りながら歩くこと二十分、右京は暗闇の先に鮮やかなトウガラシ色に輝く小さな点を見つけた。
臭い?もあれが発信源のようだ。やっと見つけたぞ。
右京は早くも小瓶を取り出し握りながら、泉に向かって駆け出した。
その時、ドーンと鼓膜を爆発させるような音がして、右京は数メートル吹っ飛ばされた。ドスン。右京は強かに尻を打ち付ける。小瓶は手の中から離れ、闇の中に消えた。割れたかもしれない。
ちくしょう、何だってんだ。
右京は杖を振って小瓶を取り戻そうとしたが、その前に小瓶とか三ノ輪に与えられたミッションなんてどうでも良くなってしまうくらい重大なことに気が付いてしまった。右京の目の前に、でかい黒い大きな影が立ちはだかっていたのだ。

※何故、悪女の心理学か…シェラザードは結構な才女で悪女かと思うのです。

いきなりキャラ紹介




今さらながら、ぺー太郎君のキャラクターイラスト載せちゃうよっ。ついでにキャラ紹介も。画像の順番ばらばらかもしれないけど悪しからず。

橘右京(バンダナ着けてる青年)…ほのちかにおける主人公。マジラバ本編では貧しい人間や力の弱い妖魔に味方する元天魔連一級魔導士の義賊・怪盗。青臭い思想と態度でマジラバの主人公・竜星とは良く対立する。火を操る。ほのちかでは将来を有望視された彼が如何にして転落していったかを描く。

音無呉葉(右京と一緒にいるゴスロリ美少女)…マジラバで右京に仕える美しき吸血鬼。ほのちかでは髪が長い。天魔連に家族を皆殺しにされる。ある意味右京にとってのファムファタール。

藪原日和(画像・Tシャツの彼)…右京の学生時代の親友。天才肌の彼と平凡な自分を比較し、嫉妬スパイラルに飲み込まれていく。秘められた右京への憎しみは、やがて…

花塚華夜(ボインな女性)…右京が憧れていた、天魔連一級魔導士。花街の遊女からあの手この手で成り上がる。(実力自体も肩書きに相応しいくらいはある)華やかでセクシーな外見とは裏腹に本性は残虐。
八百比丘尼(手元にイラストがないので後日)…人魚の肉喰って不老不死になったあの人。何故彼女が天魔連で教員やってるのかはいずれまた。白い着物におさげにした白い髪。頬に刺青。右京の師匠に当たる。青妃には逆らえない。

玉蓮院青妃(ノーイメージ)…誰もが恐れる天魔連の総統閣下。マジラバでは10話初登場。白いローブに身を包む、痩身の老婆。天魔連を裏切る者が出ると相当カッカ致します。

クリスタルK(?)…謎の看護師。あちこちに出没し、暗躍する。

焔の誓い(京呉番外編)第六話

※未完成

「見て見て、橘右京くんよ」
「まだ二級だけど、一級魔導士確実なんですって。」
「良く見るとカッコいい気も…」
女子たちのヒソヒソ話が聞こえてくる。
橘右京が二級魔導士の中でも意欲や実力の面で期待を受けている者だけが参加させて貰える実戦で、一級魔導士から高評価を得たらしい、との噂は天魔連魔導士養成学校の生徒たちの間に瞬く間に広がった。その情報を積極的に拡散しているのは主に女子生徒たちだった。
『正義のためだ、俺が天魔連を変えるんだ』と意気込んでいる右京は、そんな女子たちの熱い視線など意に介さないような素振りをしていたが、それでもそんな女子の声が露骨に耳に飛び込んでくるとついつい鼻がひくついてしまうのが男のサガというもので。
「右京く~んV」
聞こえるように密やかに噂しても、何も言ってこない右京に業を煮やしてか、女子生徒たちが甘い声を出して近付いてきた。
「な、何だよお前ら…」
多少わざとらしく気取った様子で聞く右京。
「何でもないけど~、ちょっとお話してみたかっただけ。」


そして、そんな右京を面白く思わない者たちがいた。右京の同級生以上の男子生徒たちだ。女子に囲まれて華やぐ右京を遠巻きに見る彼らは、淀んだ目配せを交わし合う。
その日の授業が全て終わった時、右京は教室の一番後ろの席で日和が手を振っているのを見つけ、ついていった。
「今日もバイト先までだけど…」
「あー。」
日和は右京が言いかけたのを遮った。
「お前は面識ないけど…あー…俺の友達が、何かお前に用があるんだってさ。ちょっとだけ、来てくれねえかな。時間は取らせないようにするから。」
右京は何故だか少し挙動不審で、歯切れの悪い話し方をする親友をわずかにいぶかしく思いながら、校内の『グレーテルの花園』と呼ばれている庭園に着いていった。
やけに鮮やかで色とりどりの、まるでドロップのような小さな果実をたわわにつける灌木の茂みに囲まれた東屋に、日和の友達だという数人の少年たちがたむろしていた。未成年の癖に濁った目をして、紫煙の薫りを纏わせている奴もいる。右京はごくりと唾を飲み込んだ。
「お前があの橘右京か。」
彼らのトップらしい、耳とか鼻とか唇とか、とにかく顔面のどこにでもピアスをどっぷり着けた少年がどろんとした声で聞いた。
「な、な、なんのごようでしょうか…」
『日和ぃ~こんなのと付き合ってたのか?』とか『これがウワサの体育館裏での決闘か』とか思いながら、冷や汗たらたらで聞き返す右京。ピアスの少年は、おもむろに歯を見せて、ニィッと笑った。
「ちょっと、頼みたいことがあんだよ。」
ピアスの少年が後ろにいる仲間の一人を親指で指した。指差された白衣を着た真っ黒な髪の少年が、右京の前に進み出る。
「俺は魔法薬品研究科六年の三ノ輪だ。」
三ノ輪と名乗った少年は、小瓶を掲げて話し出した。
「ちょっと薬品の材料を集めんのに協力して欲しいんだ。」
「薬品?研究か何かか?」
右京が聞いたが、それには答えず三ノ輪は続ける。
「一級魔導士昇級試験の実技にな、『ダイダロスの迷宮での肝試し』ってのがある。あ、ダイダロスの迷宮ってのはこの学校の講堂地下にあるらしい迷路なんだがな。そこのどこかに、『トウガラシ色の泉』ってのがある。そいつはマグマみたいに真っ赤に燃えたぎる水で、飲むと暫く痛覚が数百倍になる。セオリー通りに使えばただの拷問用薬品だが、上手く加工できれば…後はわかるな」
三ノ輪はにたりと歯を見せる。こんな怖そうなパーティーに所属しているのが不思議なくらい、大人しそうな風貌に似つかわしくない、とっても悪そうな笑顔である。
「でも俺、バイトあるし…」
右京が断ろうとした時、三ノ輪の仲間たちがわらわらと寄ってきて丸め込もうとする。
「定休日の時で良いって!」
「完成したらお前にも一瓶やるから!」
「女の子自体は自前で。ま、今のお前ならチョロいもんだろ?」
仲間たちが一通り言いたいことを言い終わり、静かになると、三ノ輪が再び口を開いた。
「火属性の魔導士なら何か、どんなに離れてても匂いでわかるんだってよ。お前にしか出来ないんだ。頼む。」
三ノ輪は右京の手を握る。
何だこいつら、日和以外は今まで全然会話したこともないのに。それにそこまでしておねいちゃんと遊びたいのか。
しかし、基本的にお人好しと言われる右京のことだ、男女問わず何かを頼まれることに対して悪い気はしない。
「わ、わかったよ。薬は別にいらねえけど。」
少年たちは歓声を挙げる。
アルバイト先に向かうと言って、遠ざかる右京の背中に、少年たちは眩しいばかりに満面の笑顔で手を振った。
「よーろしーくなーっV」

「おい、やりすぎじゃねえのか?!」
日和が首謀者の少年の肩を掴み、食って掛かる。少年は鬱陶しそうに日和の手を退けた。
「何を今更。つーか『何か嫌がらせしてやろーぜ』っつったのお前だろ?」
「そこまでは言ってない…それに、ダイダロスの迷宮は熟練の一級魔導士でもダルマになって帰ってくる奴がいるって言うぜ…」
少年は嘲るように鼻で笑う。
「けっ、失敗すりゃ一級魔導士候補が一人消えてなくなるし、上手くいきゃ花街でキレイなおねーちゃんいてこませるし。どっちでも楽しい結果になるじゃんよ。」

さて、日和の友人だという少年たちの気迫に圧されてつい安請け合いしてしまった右京だったが。
『週に一度だけ、係の妖魔退治専門の魔導士が、エサとか生存数確認とかのために迷宮に入る。その時にこっそり紛れ込めれば。』

竜鈴番外編:ある朝の出来事

先週メグミルクの「コーラティー」なるものを買ったんだけど、不味いね(-。-;)…開発部何でOK出したし。冷やして、氷入れて、二倍に薄めればまだマシ。試してないけど炭酸水で薄めればもっと良いかなと思う。やっぱりコーラは、しゅわしゅわ感が無いと只の不味いシロップになってしまうんだよ。


以下小説。
ちょっとしたダーティワークから帰宅。

鈴音は目覚まし時計の音でいつもように目を覚ました。6時。ひっきりなしに鳴り続け、起きるよう急かす時計のボタンを軽く叩いて止め、ベッドから起き上がって手始めに部屋のカーテンを開ける。一瞬で部屋を金色に染める、新鮮な太陽の光が暗闇に慣れた目に眩しい。セーラー服に着替え、階段を降りて一階の台所へと向かう。今日のメニューもご飯とか焼き魚とか、味噌汁とか和食主体。本当はパン中心の方が作る方にとっては楽だけど、文句言う奴が約二名いるから。
やがて今日の朝食が完成する。鈴音は竜星の部屋の前まで行き、ドアをどんどん叩く。
「竜星ご飯!起きれたら起きなよ。」
しかし、返事がない。珍しいことではない。食事の途中に黒い浴衣とばっさばさの寝癖スタイルで欠伸をしながらやってくることも、鈴音が屋敷を出るまでついに起きてこないこともある。鈴音が早々に諦めて台所に戻ろうとした時、足元で猫叉のホーリーの声がした。
「昨日の夜中出掛けてから帰ってないよ。」
「そうなの?どうしたのかな…」
少し心配そうな色を浮かべる鈴音に対してホーリーは呑気に欠伸する。
「たまに天魔連の仕事で夜中に出掛けることあるよ。大抵夜明け前には帰ってくるから、今日は遅いっちゃ遅いけど、まあ大丈夫だろ。それより焼き魚ある?ニボシでも良いよ。」
「あんた冷たいわねー。」
鈴音は主人より自分の食欲を優先するホーリーに呆れながらも、確かに今まであの竜星が天魔連の仕事においてピンチだったことはそれほど無かったと思い出し、朝食に戻ることにした。
と、玄関の方からぎぃー、と扉が軋んで開く音がした。鈴音とホーリーは顔を見合わせる。
「帰ってきた?」
鈴音はホーリーの返事を待たずに玄関に向かった。
「鈴音、ちょっと待て…」
何故かホーリーが呼び止めようとしたが、鈴音が玄関につく方が早かった。そこには、全身に赤黒い汚れを跳ねさせた竜星。
「あ…」
竜星は多少気まずそうに鈴音を見た。鈴音は叫んだ。
「ギャーッ、お化けーっ!」
「出会い頭に何てこと言いやがる」
竜星はそう言いながらも少し気にしているようだった。顔だけさっと袖で拭う。
「って竜星、その血…」
「俺の血じゃないから心配無用だ」
竜星はこれ以上何も聞かれたくない、と言うように鈴音の伸ばした手を交わしてさっさと屋敷に上がる。
「先にメシ食って学校行ってな」
竜星は鈴音の方を振り返りもせずがんがん廊下を風呂場に向かって歩く。と、鈴音に腰に巻いた上着をぐいっと引っ張られる。
「っ…」
竜星が、ホーリーは引いてしまったほど怖い顔をして振り返る。
鈴音は構わず竜星のワイシャツを捲る。いきなりの鈴音の無体と外気の冷たさに、竜星は思わず叫ぶ。
「何すんだこのスケベっ!」
「ああ、やっぱり背中怪我してる。血の染みがやけに鮮やかだから気になったんだ」
鈴音は傷の様子を淡々と観察して言う。
「背中じゃセルフ手当ては難しいでしょう、部屋に来て」
「…」
微かに微笑んでいるようにも見える鈴音に、竜星は何も言うことは出来ず、しかめ面しながらも鈴音に従った。

「いつもみたいに口うるさく何も聞かないのか?」
「聞いても答えないでしょー。」
鈴音は実に手際よく、傷口を洗い、消毒して包帯を巻いていく。この女は何気に器用だ。料理とか、こういう手当てとか、実はあまり出来ないことがない。それについて褒めたことは無いけれど。
「あのな、殺したとかじゃないから。相手も人間や魔法使いじゃないし…」
今日の鈴音は無駄口を聞かない。沈黙に耐えられず、竜星の方から口を開く。
「え、聞かないと自分から言うの?へんなの」
鈴音はフフフと笑う。手はずっと動かしたままである。
「…怖くないのか?」
今日は自分が質問だらけだ、と思いながらも竜星はこれだけは聞かずにいられなかった。鈴音は間髪も入れずに鼻歌さえ聞こえてきそうな調子で即答した。
「別に?竜星だし。はい、手当て終了。お風呂は…本当は入らない方がいいけど気持ち悪いだろうから…シャワー程度にしなよ。」
…微妙にいつもと違う。
竜星は思う。こういうシチュエーションなら、鈴音ならぎゃーぎゃー泣いて喚くだろうと想像していた。だから言わなかったしホーリーにも口止めしていたのだが。
「竜星?遅刻しちゃうからご飯食べてきて良い?」
手当てが終わったのに、そこから動かない竜星を不審に思ってか、鈴音が相変わらず朗らかな口調で聞く。
竜星は何も言わなかった。普段なら「元々頼んでねえよメシでも便所でも好きにしろ」などと舌打ち混じりに言うところだろうが。竜星はそこからまた数秒ほど静止し、そして思い切って振り返り、鈴音と向き直る。蚊の鳴くような声で早口に述べるのは。
「あの、悪かった……」
「へ?何が?」
目を合わせなくてもわかる、鈴音はきょとんとしていた。
「だから、手当てとか…黙っていなくなったこととか」
「…」
また沈黙。竜星が思い切って顔を上げると、鈴音は、竜星をキッと睨み付けていた。いや、涙を堪えているのかもしれない。
やがて鈴音は、はー、と息を吐いた。ついに涙を落とさなかった。
「謝らなくても…あんたが何も言わないのは今に始まったことじゃないし…」
竜星はそれでも何も言わない。鈴音は諦めたように立ち上がる。
「もう八時近いよ、白米だけでも食べないと一日動けない」
「俺も先にメシにする」
何故か竜星も立ち上がる。気まずさより食欲が勝ったのか、それとも何か思い付いたのか。鈴音はそんな竜星を右手でビシッと制止する。
「っと、食欲失せるからせめて着替えてきて!!」
「お前な」
「当たり前でしょ、血だるま目の前にしてメシが食えるかっ!」
鈴音は着替えるのに配慮してか、竜星の部屋から駆け足で出ていく。
いつもの調子が戻ってきた、いつもの朝が戻ってきた。竜星はカーテンが閉まったままのため薄暗い部屋に一人残され、少し安堵しつつ浴衣に袖を通す。
over



絶対叱られると思っていた相手がニコニコしてたら余計怖いよねとか、そういう話。

焔の誓い(京呉番外編)第五話

「えー、ホントに見たの?ただの噂じゃないの、それ…」
「ホントだって!めっちゃカッコ良かった、三年後がめっちゃ楽しみ!!」
女学生がきゃあきゃあと黄色い声を上げておしゃべりしている。今一部で話題になっている、「どこのクラスにも所属していない男子生徒」の噂らしい。しかし、橘右京はそんな女学生の話も、いや講義などのどんな重要な話も耳に入ってこないようだった。
「よう右京!!」
どんっ、右京は背中に重い衝撃を感じた。
「…なんだ日和か」
「なんだは無えだろぉ~。お前実践から帰って来てから調子がおかしいぞ?あ、もしかして何かシクったとか」
日和は絡むように訊いてやる。それに対して右京は
「ああ、まあな…」
と気の無い返事だ。
「え、マジで何か失敗したのかよ、ダセえー。ま、そんなの飲んで忘れろよ。それにそんなので二級が失われるわけじゃないんだから…さ…」
日和は一人だけでぺらぺら喋りまくる。次第に虚しくなって来て、語尾はフェードアウトしてしまった。
「…悪いが、ちょっとほっといてくれねえか」
右京は日和の言葉が終わるのを待っていたのか、やっとそれだけを言った。
「…悪かったよ」
日和は今は何を言っても無駄だと思い、右京から離れる。

右京の足は自然に比久尼の部屋に向かっていた。

こんこん。右京は比久尼の部屋のドアをノックする。
「はーい、どなた」
生徒相手でなければ意外に外見年齢に相応しい受け答えをする比久尼。右京は名乗る。比久尼は驚き、それからドアを開けた。
「こんな時間にどうした?まだ授業がある時間帯だと思うが」
右京は彼には似つかわしくない、青白くクマの出来た疲れ切った表情で師匠・比久尼を見据えた。そして言う、
「比久尼さん、お話があってきました。」
「…何だ話って」
比久尼が硬い表情で聞き返す。と言うことは、大体想像がついているのだろう。
右京は暫し躊躇したが、思い切って口を開く。
「実戦の夜についてです。天魔連の戦いは、あんなことが日常茶飯事なんですか?あんな残酷な、強盗みたいなことがまかり通るんですか?」
強盗、字面も響きも強い言葉だ。しかし、右京にはそうとしか思えなかった。
比久尼はただ黙って右京を見返すと、突然指をパシンと鳴らした。
比久尼が着席していた机や、横に備え付けられていた棚の引き出しがいくつか勝手に開き、一陣の風とともに何枚もの書類を吐き出した。書類たちは部屋中を舞い踊り、比久尼の手元に一枚、また一枚と重ねられていく。
比久尼は書類の内容を暗記しているかのように、いくつかの事件について滔々と述べていく。
「1918年、さる華族が主宰したパーティーの会場が翌日霊安室になって発見。何人かは洋剣らしきもので胸を切り裂かれていたり、爪や牙で四肢を引きちぎられていたにも関わらず、全員の遺体には愚か会場の床や壁にすら一滴の血も零れていなかった。当時の人間側の警察はこの事件を解決出来ず、新聞も20世紀最大の怪事件として扱うが、当時の天魔連の前身は音無家を中心とした吸血鬼の一団の仕業として見ている。1947年、二次大戦後の食糧難の時代、若い娘を中心とした幾人もの失踪事件。人間だけでなくヒトに擬態していた妖魔や魔法使いも含まれる。主だって動いていたのは音無家で、農夫に化けて食糧と仕事を提供すると持ちかけホイホイ着いて来ちゃった彼女らを逆に食糧にしてしまったと考えられる。1983年…」
「っ、でも、ここ数年は玉蓮院総統と契約して、食糧として最低限しか人の血を吸わないようにしていたんじゃないですか?!」
右京が口を挟む。比久尼は『音無家事件アラカルト』を述べるのを止める。
「それでも危険だってことだよ吸血鬼は。わからないのか?彼らだって私達のようにいつ理性を失ってしまうかわからない。音無家は特に、推測の域を出ないとはいえ数多の悪業に手を染めた過去がある。今の堕蓮当主が天魔連と契約したからと言ってこれから何の罪も犯さないと断言できるか?」
「でもっ、どこに証拠が」
「もう良い」
引き下がろうとする右京に対して、比久尼がこの話は終わりだと宣言するように机に手をついた。
「上から命じられた仕事をこなすのが天魔連階級付き魔導士の仕事だ。こんなデビュー戦ごときでそれ以上喚くようなら上に報告しなくてはならなくなるぞ。一級魔導士たちには勇気や咄嗟の判断の面でとても高い評価を戴いているのに。」
右京は脅すように言われ、全く納得していなかったが、普段ある程度は気さくな比久尼の冷たい瞳にもう何も発言することが出来ず、ただぶっきらぼうに軽く頭を下げて部屋を出た。

「っ…」
バタン、と多分に棘やら抗議の意志やらを含んでドアが閉められた後、比久尼は唇を噛んだ。
「私ならもう少し自然な説得をするがね。」
嗄れた声がして、いつの間にか肩にまとわりつくように置かれた手に、比久尼は身体を強張らせる。
「若い魔導士に健全な教育を施すのがそなたの役目の一つだったと思うが。」
天魔連総統・玉蓮院青妃が比久尼の正に後ろにいた。
「魔導士以外の生物は全て排除するべき敵か奴隷であると、私の考えをなぜあの青年に伝えないのだ?それにお前は、あの任務中に私の命令を違えようとしたそうではないか。」
比久尼は青妃の感情の無い言葉に、触れてくる手に、全身の毛がぞわっと逆立つのを感じる。気持ち悪いのに離れられない、逆らえない。青妃は比久尼の頬に触れ、更に詰問する。
「申してみよ、お前の仕えるべき主人は誰だ?」
「青妃さまです…」
「化け物のお前が安穏として暮らせる場所を与えたのは?」
「青妃さまです…」
比久尼はどんな問にも無感情に主人の名を挙げる。淡々と、機械のように。青妃の両手が、比久尼からふっと離れる。
「不満そうだな、不忠者め。まあ良い、既に抵抗する気は無いようだから許してつかわす。」
言葉が終わるとともに、青妃の姿から消えていた。比久尼は自らの肩を抱き、その場に崩れ落ちる。息が荒い。額を冷や汗が流れ落ちる。
やがて比久尼は自分の部屋を数回見回し、今は確かにこの空間に自分一人であることを確信すると、微かな声で呟いた。
「右京、すまん…」

正直、見損なった。
右京は脇目も振らず、ずんずんと廊下を歩いていく。
右京に取って比久尼は、常に良い師匠であり良い相談相手であった。それが、あんな訳のわからない屁理屈で直属の生徒である自分を丸め込もうとするなんて。反論しようとしたら昇級を盾に脅しを掛けてくるなんて。
思い出すだけでも腹が立つ。
信用していた人に裏切られたと言うことは、右京にとって自分の頭の中で造り上げてきた天魔連の絶対的な正義のイメージが壊れたことと同じくらい受け入れがたいことだった。
右京には前が見えていなかった。どん、誰かの肩に顔をぶつける音がして、右京は我に返った。
「魔導士たるもの、何があっても前を向いて歩け。少々痛かったぞ。」
男は言った。右京が顔を上げる。男は長い金髪を三つ編みに結い、黒いマントを羽織っていた。
「あ、貴方は…」
「潮田だ。実戦の日以来だな、橘。」
「…」
右京は返事をしない。その心中を察してか、潮田はくすりと笑った。
「いや、押し込み強盗の日以来と言うべきか」
「…!」
思っていたことを思いがけない人物の口から聞いて、驚きを隠せない右京。潮田は続ける。
「そうだ、俺もそう考えている。あれは正義に裏打ちされた行動なんかではない。」
「…なら、どうしてあんな仕事を引き受けたんですか。」
右京は険のある口調で聞く。潮田は皮肉な笑みを浮かべる。
「大義のためさ。」
「大義…って?」
右京が聞いた。潮田は少し大袈裟なくらいに大きく頷く。
「この天魔連は…俺もこうして一級魔導士をやりながら、確かに人のためになる仕事も多いが、それと同じくらいの量、天魔連のためだけに行わなければならない仕事もある。あれはその最たるものだ。デビュー早々あんな汚れ仕事をやらされる羽目になるとは、同情はする。上も何を考えているのだか…」
そこまで言って、潮田は思慮深く口を閉じた。それから、再び真剣な瞳で右京を見据えた。
「しかし、そこからいじけて一歩も進まない人間の唱える正義に、誰が耳を貸すだろうか?世の中の真実を見ようともせず、鳥籠の中から囀ずるきれいごとは、人の心を動かせない、そう思わないか?」
「…」
右京は黙ったままだった。潮田の言葉をもっと聞きたかったのだ。潮田は、最も伝えたかった言葉をついに口にする。
「気にくわないなら、お前の手でこの世を変えてみせろ、橘右京。その間にどんな汚いことをしようとも、見ようとも。」
「…」
右京は暫く声も出せなかったが、やがて静かに頷いた。自分の中で、天魔連に対する一応の答えが出たのだ。潮田は穏やかに微笑んだ。
正義のために何しても良いって考えには賛同できないが、少し勇気が出てきた気がする。
その時、授業開始のチャイムがなった。
行かなきゃ。
今日は授業には出ないつもりでいたが、この天魔連が失った正義をいつか自分が取り戻すために、勉学に励まなければ。
右京は走り出す。
「ありがとう潮田さん、何かちょっと元気出た!」
潮田は微かな微笑みを浮かべたまま、遠ざかり行く右京の背中に手を振っていた。しかし、彼はふと真顔になり、胸の当たりまで挙げていた手を見る。その不自然さに気付き、二、三回指を曲げ伸ばししてから怪訝そうに呟く。
「…俺は今、何をしてたんだ?」

始業チャイムが鳴った一、二分後、飛び込んできた右京を魔法薬草園芸学の松戸先生は皮肉混じりにたしなめる。
「遅刻だぞ、橘。今日も実戦があった訳じゃないだろう。」
右京は覇気に満ち溢れた笑顔を先生に向ける。
「すいません先生、気を付けますっ!!」
先生は右京の必要以上とも言える大声に目を丸くする。
クラスの生徒たちも、いつもより明るい右京に驚いているようだったが、中でも一番びっくりしているのが日和だった。
さっきあんなに萎れてたのが、まるで嘘のようだ。何があったんだろう?
日和は授業が再開されるまで、不思議そうな顔をして右京を見ていた。



考えついてしまったアホギャグ:
青妃「魔導士華夜が冷凍庫に隠しておいたハー●ンダッツ抹茶味を食べてしまったのは誰だ?」
比久尼「青妃さまです…」
青妃「橘右京が楽しみにしていた『ハ●ー・●ッターはア●カ●ンの囚人』のオチを学校中に言いふらしたのは?」
比久尼「青妃さまです…」
青妃「こんの不忠者めがあっ!!!」

焔の誓い(京呉番外編)第四話

※暴力描写有り。ダークファンタジーを目指してみた。

いくら防火魔法を掛けていたって、赤い焔と黒い煙に視界を遮られてとても動けたものではない。自分自身が作りだした焔で難儀するのも情けない話だが。
あの人たち何であんなにすいすい動けるんだよ、とぼやきながらやっとのことで玄関ホールに辿りつくと、戦いはもう始まっていた。吸血鬼と思しき赤い瞳の男が、目にも止まらぬ速さでサーベルを突きだしていた。
「ぐぁっ!!」
自慢の魔法を繰り出す間もなく、金髪の魔導士が肩と利き腕を刺されて床に倒れこむ。
「大丈夫ですか!?えーと、誰だっけ。」
傷口を手で押さえ、もんどりうって転げまわる男のもとに右京は駆け寄る。痛みとショックで防火魔法が途切れたのか、三つ編みに火がついてまるで燃える鞭のようだった。右京はすかさず杖を振って防火魔法を掛けてやる。
止血魔法、やったことないけど基礎くらいは知ってる。
右京が再び杖を振りあげた時、あのいけすかない大男の声が響いてきた。
「バカ、ほっとけ!!」
んなこと言ったって、と大男の方を向こうとしたその時、吸血鬼がサーベルをこっちに向けて走って来た。
「わーっ?!!」
右京は慌てて杖を向け、吸血鬼に向かって焔を噴出させる。予想していたより大きな焔が吸血鬼を包み込むように燃え上がる。
で、出ないとかよりよっぽど良いけど。
めらめらときな臭いにおいを嗅ぎながら右京が火だるまを半ば茫然として見つめていると、不意に頭上から殺気を感じた。慌てて避ける右京。サーベルが今まさに右京がいた場所の床に深深と突き刺さった。
吸血鬼はすぐに床からサーベルを抜きながら立ち上がり、右京の鼻先1センチに刃を突きつける。
「火事の原因は、君か。」
低い声と赤いまなざし、そしてサーベルにすっかり動きを拘束されて、右京は返事も出来ずにただたらーりと冷や汗を一筋、額から垂らした。吸血鬼は構わず続ける。
「今すぐこの火を止めたまえ。出したと言う事は仕舞う事もできるのだろう?さもないと…」
吸血鬼は、サーベルの切っ先と右京の鼻先をそっと触れさせる。鋭い痛みがじりっ、と皮膚を焼く。
右京は杖を握る手に思わず力を込める。
そんなことをしたら、仲間の魔導士たちに迷惑がかかる。でも、死ぬのは嫌だ。華夜さん達に軽蔑される?いや、命は惜しい。一級魔導士になるのが遅れる?かもしれないけど、ここにいる人たちはみんな強いし…火が消えたくらいで、きっと困りはしない。
鼻の頭の皮膚が、ぴり、と破ける感触がした。溢れだす、何か生ぬるいどろりとした液体が。ここで抵抗しようとして、失敗したら鼻の頭に傷を作る位では済まないだろう。
右京は震える指で杖を少し上にあげる。抵抗するためではない、火を鎮めるために。

がしゃああん!!右から巨大な魔力の波動が飛んで来て、二人とも吹っ飛ばされる。巻き込まれてしまった右京は身体の横を床に強かに打ち付け、しばし気を失った。より波動を強く受けた堕蓮はサーベルを握りしめたまま数メートルも吹っ飛び、背中を壁に打ち付けた。

「右京くん、起きて~。」
今日一日で随分聞きなれた、甘ったるい女の声がして、右京ははっと目を覚ます。
「燃えちゃうわよぉ。」
右京は急いで起き上がる。ここが火の海だったことを思い出して、体中をぺたぺた触り、どこも燃えたり焦げたりしていないことを確認する。よ、良かった、そんな長い間気絶してたわけではないみたいだ。それとも…
「華夜さん、もしかして防火魔法とか掛けてくれたんですか?」
華夜は切れ長の目と紫の唇を柔和な三日月形に形成して優美に微笑む。よくみると後ろに何か引きずっているようだった。
「ごめんねぇ、君が無事なのは全くの幸運。そんなヒマなかったわよぉ。だって私、」
どさり、華夜は右京の前に何か全体として赤黒い大きなものを投げ出す。右京はそれが、ここに辿り着いた時に一瞬だけ見かけた女吸血鬼の変わり果てた姿だと気付いた。
「コレを仕留めるのに忙しくて。血とか吸われそうになって危なかったけど、まあこんなもん。」
華夜は右手首についた爪痕らしき傷をべろりと嘗めた。女吸血鬼は、いくつもの球状の物体で全身のあちこちを抉られたようだった。もとの顔立ちなんて見る時間はなかったが、それでもこれを一瞬見ただけで誰か判別することは難しいだろうと思われた。骨格が歪み肉が潰れ、既に女の顔の形を保っていなかったのだ。
「っ…」
右京は思わず後退りする。
「ぅをらぁあぁ!!!」
野太い男の叫び声と、ぐじゃあ、と何かが激しく潰れる音。その何かが何なのか、右京は知りたくも無かったが、びちゃりと生ぬるい飛沫がいくつか飛んできた方向、右京から数メートルも離れていない玄関ホールの隅で、華夜の恋人(?)が何かに覆いかぶさっているのが見えてしまった。男の繰り出す大きな三角錐の先端が抉るものが、先ほど自分にサーベルを勇ましく突きつけていた吸血鬼・堕蓮であると知って、右京は身を乗り出して叫ぶ。
「やめろ、もう死んでる!!」
「ぁあ?」
男が振り返る。赤黒い血を浴びて、どろどろに染まった顔に、右京は吐き気すら込み上げてくるのを感じた。
「小僧、授業で習わなかったか?吸血鬼は心臓を確実に潰さないと死なないんだぜ。」
「太陽の光にも弱いわよ。因みにそろそろ日の出の時刻。」
華夜は滑らかな声で指摘した。男は黄色い歯をむき出しにして笑う。
「そうか、じゃ魔力と体力の無駄使いだったな。」
ははは。うふふ。
右京は今でも忘れていない。彼らの笑い声を。

こいつら…楽しんでる…?

「そういや本来の目標がまだ捕まっていねえな。」
大男はようやく堕蓮の骸から身体を起こし、立ち上がった。
「娘の方ね。比久尼が探してるけど、」
華夜は言いかけて、見知らぬものの気配に気づく。
「どうやら無駄足になっちゃったみたいね。」
華夜の視線の先には、長い黒髪をなびかせた、黒いドレスの少女が茫然と立っていた。
少女はよろよろと、玄関ホールの真ん中に歩いてくる。まずは父親の姿を、次に母親の姿を確認した。
「父様…母様…」
少女はうわごとのように呟きながら、ふらふらと歩き、母親の骸の側にへなへなと座り込んだ。華夜が少女の側により、手を伸ばす。
「抵抗するから仕方なかったのよ。さ、お前もこうはなりたくなかったら大人しく…」
ばしっ。
右京が止める暇さえなかった。華夜も気づくことが出来なかった。華夜の伸ばした右手が、手首からばっさり落とされてしまったのだ。
「え…な…」
華夜は鮮血を散らしながら床へと落ちて行く手首を為す術も無く目で追っていた。
少女が立ち上がる。その両手には、十字架のような形の赤黒い刃の剣が握られていた。荒い息。黒目がちな双眸から涙を流し、赤い瞳を爛々と光らせている。
「あ、あたしの、手がっ!あああっ!!」
今更何が起きたのか気付いたように焦り、手首を拾ってくっつけようとする華夜。無論、くっつく筈も無い。
少女は呟く。
「許さない…」
それから剣を大きく振りかぶった。
「許さない許さない許さない!貴様らっ、全員殺してやる!!」
その刃はまず、未だに屈んで手首をどうにかくっつけようと試みている華夜の身体を袈裟がけに切り裂いた。
「ぎゃああああああっ!!」
華夜が床に崩れ落ちた。
「小娘、よくも俺の女を!!」
痙攣しながら真っ赤な血を間欠泉のように吹き上げる華夜の姿に切れて、あの男が魔法すら忘れて少女に掴みかかる。少女は迷わず剣を横ざまに振り、男の腹を切り裂いた。
「ぐぁあああああぁっ!!」
男が仰向けに倒れる。巨体が床とぶつかって、既に半分炭と化した屋敷を大きく揺らす。ぼろぼろになった天井や壁の断片が燃えながら落ちてきた。
「あ…」
少女が最後の標的として、右京を見つける。余りの事に腰が抜けて動けない右京に対して、少女は容赦しなかった。少女が剣を振りあげる。
これまでだ。
右京は目を閉じ、襲い来るであろう痛みに備える。
一秒、二秒、三秒…
「…?」
何時まで経っても何の衝撃も感じないので、右京が目を開けると、少女はそこに立ったまま静止していた。ごとり、重い音がして、剣が少女の手の中から抜け落ちる。剣はすぐにざぁっ、と風に崩される砂の像のように粉々になって消えた。少女はゆっくりと倒れる。目を開けたまま。その背後には、巨大な数珠を巻きつけた白い着物の娘、八百比久尼が立っていた。
「どのような事情があろうとも私の教え子に手を出すことは許さない」
比久尼は数珠を常識的な大きさに戻し、ドレスの少女を肩に担ぎあげ、右京に手を差し伸べる。
「立てるか?帰るぞ。あともう終わったから火を消せ、いくらでかい屋敷だってそろそろ崩れるぞ」
「この人たちは…」
比久尼の手を掴んでやっとのことで立ち上がりながら、右京が聞く。華夜もあの男も、瀕死の重傷だ。
「俺がどうにかする」
金髪を三つ編みにした男がやってきて、杖で二人の身体の上、空中にそれぞれ魔法陣らしきものを描いた。男が杖を振ると、魔法陣が青白く光を放ち、二人を吸いこんでどこかへと消えた。
「調子に乗って遊ぶからこういうことになるんだ。まあとにかく、帰ろう。橘、しっかり捕まってろ。ちなみにさっきの問いだが俺の名前は『潮田』という。防火魔法を掛けてくれたことに感謝する。」
潮田と名乗った男は、話しながらも手際よく床に複雑な魔法陣を刻んでいく。
「だがやはりああいう場合は放っておくのが賢いやり方だ。よし、完成。」
比久尼、右京が魔法陣に踏み込んだのを確認し、潮田は魔法陣の中心に杖を突き立てた。
魔法陣は来た時と同じように青白く強烈な光を放ち、吸血鬼の少女を含めた四人を天魔連へと運んで行った。

焔の誓い(京呉番外編)第三話

小説ではお久しぶりです…放置機関が四か月超える前に続きを書きに来ましたよっと。皆さんお待ちかねの、「生涯の嫁」登場です。今日一日の出来事?語るほどの事じゃないぜ。カラオケと交配を夕方にちょびっとやってきたぜ。


青白い光が一層強くなり、右京と比久尼を包み込む。右京は光の強烈さに目を開けていられず、強くまぶたを閉じていたが、それでも光は薄い肉を突き通し、視界を白く染める。同時に内臓が肉体を置いてけぼりにして単独で浮き上がるような気持ちの悪い浮遊感。右京にとって、こんな感覚は初めてだった。しかし、何が起こっているのか、当たり前かもしれないが見ることは出来なかった。
やがて光が淡くなっていく気配がして、右京の両手と両ひざがゆっくりと固い地面に当たるのを感じた。恐る恐る目を開けると、そこは深い森の一部だけ開けているところだった。夜明けが迫っており、暗い水色の中に黒い木々が影絵のように屹立している。少し離れているところに石造りらしい古風な屋敷が建っていて、それを取り囲むように、右京も見知った数人の一級魔導士たちが立っているのを見つけた。
「何をぼけっとしてる、行くぞ。」
比久尼の鋭い声がして、右京は我に返った。振り向くと、比久尼は既に立ちあがって屋敷の方に向かって歩いていた。右京は少し小走りになって比久尼を追いかける。

「あらぁ、比久尼に右京くん。こんばんは~。」
間延びした甘ったるい声が、新しくやってきた二人をいち早く見つけてあいさつした。
「華夜さん!いたんですね。」
闇の中でも浮かび上がる、あでやかな紫をした結い髪とドレス。右京含めて全男子生徒憧れの美人女性一級魔導士が、にこやかに手を振っていた。
「一級魔導士だからねぇ。たまたま手が空いてたし。右京くん今日がデビュー戦?」
「ええ、はい。あの、足とか引っ張っちゃうかもしれませんが…」
「邪魔しにきたなら帰れや」
右京の言葉は華夜の隣に居た岩のような醜い大男の野太い声に遮られた。
こいつ、ウチの居酒屋に来てた…
大男は右京におもむろに歩み寄ると、ずずいと常人の三倍くらいはありそうな顔を近づけて、口を開いた。黄ばんだすきっ歯の間から酒とヤニの混ざった不快な臭いがした。
「小僧、言っとくがな、俺の女に手出しするんじゃねえぞ。もし戦いのどさくさにまぎれて妙な事しやがったら、俺の岩盤変形魔法で…」
「あんたこそ公私混同すんじゃないよ。」
岩盤変形魔法で何をされてしまうのか、華夜が男の襟首を後ろからぐいと乱暴に引っ掴んで右京から引き離したおかげで聞かずに済んだ。華夜は自分よりはるかに大柄な男を見上げているのに、なぜか見下しているように見えるほど冷たい流し目で見ながら、男を諫める。
「こんないかつい顔して女女ってみっともない。大体右京くんみたいな子供となんか…」
「真性ショタコンの癖に。」
比久尼が聞こえるようにか聞こえないようにか、突如としてぽつりと呟く。
「あぁ?!」
ばっちり聞こえていたようで、鼻に掛った甘い口調はどこへやら、ガラの悪いチンピラのように比久尼に食ってかかる華夜。
「琴音から聞いたぞ、お前こないだ十三歳の子供に…」
「あ、あの子はちょっと綺麗だったから…ってあんまりくだらないこと抜かすとあんたの享年八百歳にするよ。目も当てられない形でね…」
華夜は比久尼の喉元に、杖先を脅すように突きつけながら低い声で囁く。比久尼は喉の薄い皮膚に浅くめり込む杖先に全く屈せず、にまりと口角を吊り上げながらさらりと返した。
「それはむしろ有難いくらいだが。」
「おい、そろそろ時間だぞ。」
長い金髪を一本の細い三つ編みに纏めた若い男性魔導士の声で、二人のケンカは一応お開きになった。定められた持ち場に戻りながら、それでも視線だけで火花を散らし合う女たちを見ながら、右京は一人、あまり仲が良くないのかな、と暢気に思っていた。

静寂の中、魔導士たちは杖を取り出したり服装を整えたり、各自の準備をしていた。右京も真似をして、杖を取り出す。自分のだけ学生用の、何の特徴も無いアイスキャンデーの棒きれみたいな杖であることを少し恥じながら。
古城、と言ってもいいほど立派な屋敷の窓には、ちらほらと青い鬼火が灯っていた。この不気味な建物の中に、恐ろしい吸血鬼がいるのか。本当に居るのか。
怖い。けど、この仕事をやり遂げればちょっとは一人前に近づける。
右京が顔を上げて、命をかけ戦う決意を新たにしたところで、ちょうど良く華夜から指令が飛んできた。
「右京くん、お仕事。この屋敷を丸ごと、君の焔で包んでちょうだい。」
「?包むって…」
「燃やし尽くせってことだよ」
人一人の体に巻きつけられるほど巨大な数珠を屋敷の方に突きだすように掲げ持ちながら、比久尼が口を挟む。
「これが終われば君の仕事は終わるようなもんだから。君の全部を、思いっきり、出し切って頂戴。」
華夜が重ねて言う。
さっきも思ってたけど、華夜さんはやっぱり俺のこと子供だと思ってるんだなあ。
解りきっていたことだけど、やっぱり悔しい。
いや、悔しがっている場合じゃない。とにかくこのデビュー戦をせめて失敗無く完遂しなければ、俺は誰に認めて貰う事なんて出来はしないんだ。華夜さんにも、…親父にも。

右京は目を閉じてすべての情報を頭から締め出す。細くて短い杖を両手で握りしめ、杖にありったけの魔力を込めた。両手が、指先が、手の中の杖が、自分のイメージした灼熱に染まっていく。右京の身体を内部から圧迫するような魔力量が頂点まで達した時、右京は再び目を開いた。その瞬間、ごうっ、と腹の底に響く音がして、細い杖先からは想像も出来ないような大きさの焔が一気に噴き出してきた。右京自身が引っ張られそうだが、足を踏ん張り耐える。火柱はどんどんどんどん膨れ上がり、やがて屋敷に燃え移った。そこからは早かった。焔は火の粉を撒き散らしながら瞬く間に壁に、屋根に、隣の塔に飛び移り、最終的に屋敷全体を呑みこんだ。比久尼が叫ぶ、

「攻撃、開始!!」

「焦げくさいな…」
腰まで届く長いまっすぐな黒髪と、闇に溶け込むような黒いドレスが特徴的な少女、音無呉葉は、すでに数匹のテディベアがかなりの面積を占拠している棺桶に身体を押しこみながらふと思う。どんなに身体が休眠を欲していようと、吸血鬼の超感覚はごまかせない。呉葉は身体を起こし、棺桶からゆっくりと這い出した。その瞬間、呉葉の部屋のドアがバンと開いた。
「父様?!」
「呉葉すぐに逃げなさい!屋敷が囲まれている、夜明けも近いから地下通路を通って森の中に!!何も持たなくて良い、早くっ!!」
普段温厚な父親のあまりの剣幕に気圧される形で身一つで部屋を飛び出す呉葉。その目の前に飛び込んできたのは、見たことも無いほど真っ赤な火の海と化した廊下だった。
「父様、母様?!これは…」
「ここは私たちが食いとめる、お前はお逃げっ!!」
分厚い焔の壁の向こう、影すらも見えないがどこからか母親の声がする。
「お嬢様、こちらはまだ火の回りが浅くございます!ここから裏口の階段を下りて秘密通路に…」
使用蝙蝠が翅をばたつかせながら呉葉を案内しようとする。しかし呉葉は、迷わずに火と煙が強い方向に、両親がいると思しき方向に飛び込んで行った。
「お嬢様あー!!?」
身体の小さな蝙蝠に、彼女を止めるすべはなかった。

比久尼の声と同時に、魔導士たちは燃え盛る屋敷の中に飛び込んでいく。火傷を負う事が怖くは無い、防火魔法に守られているから。右京も一番後ろから、他の魔導士たちを追いかける形で屋敷の中に乗り込む。と、自分が作りだした筈の焔が髪と服を焦がしだす。
「ぅわっ、あちちち!」
右京は急いで自分の服を燃やす火だけを消し、ついでに忘れていた防火魔法も掛けて慌ただしく屋敷の奥へと駆け出して行った。
放火(頼まれたこと)しかできないなんて華夜さんには思われたくない。

玄関ホールだったと思われる、今は天井からぼたぼたと火の玉が落ちてくる場所で、吸血鬼一族音無家の当主・音無堕蓮(だれん)が魔導士たちを待ち受ける。広い大理石の階段を背にした堕蓮はまっすぐな赤い瞳で侵入者たちを見据え、凛とした声で聞いてきた。
「天魔連だな?音無家は人を無暗に殺傷しない契約をそちらの総統と交わし、守って来た筈だ。今更になって何故このようなことをする?」
岩のような大男が下品な笑いを浮かべる。例の汚らしいすきっ歯があますところなく見せつけられた。
「何故って、てめえらが生き物の血を吸うからさ。ひひひ…」
華夜が大男の前に進み出る。
「わからないならでたらめこくんじゃないよこのデカブツ。…音無家の能力について知りたいと青妃(しょうひ)様が仰っている。体内収納術なんて冴えない名前で呼んでいるが、吸血鬼族の中でも特異な力が音無家にはある。音無家から誰か『最先端の血を受け継いだ者』を素直に貸し出せば良し、さもなければ力尽くで奪い取る。」
華夜の淡々とした言葉を咀嚼するようにじっくりと傾聴していた堕蓮だったが、話が終わると見ると、おもむろに胸元のタイを外した。
「特異な力とは、これのことかな?」
堕蓮は白いシャツを少し肌蹴ると、右手をシャツより白い胸の皮膚に埋め込ませた。そして皮膚と肉の下にある何かを掴むと、そのままずるりと引きずりだした。てらてらと輝く、赤黒い刃のサーベルだ。堕蓮はそれを魔導士たちに向けると言うより掲げて見せながら聞く。
「その役目は私でなくては務まらないものなのだろうか?今すぐこの火を消して、妻と娘の安全を保証すると言うのなら貴女たちを傷つけることなく素直に従いていくが。」
「確かにそれで充分事足りるな。青妃様に何とか掛けあって…」
比久尼が言いかけるのを華夜が即座に遮る。華夜は、紫に塗った唇を三日月形に吊りあげて言った。
「青妃様は、ご自身の下された命令と違う事をされるのが一番お嫌いなのだ。」
「…ならば仕方ない。」
堕蓮はサーベルの細く鋭い切っ先を、今度ははっきりと魔導士たちに突きつけて戦闘態勢を取った。
「いくら天魔連の願いでも娘を差し出すわけにはいかない。命を掛けることになっても、断固として拒否する。」
燃え盛る階段から、グレーのドレスを着て大きなシニョンを結った女性が優雅に降りてきた。堕蓮の妻・音無亜璃須(ありす)だ。音無家の力を持たない彼女も、爪を鋭く尖らせて戦う意思を見せている。堕蓮と亜璃須は背中合わせに構えを取る。
二人を取り囲む魔導士たちの全員が、杖など自分の武器を構えていた。

嫌いな言葉は『合併号』

僕はバカだッッッ(°Д°)

真・中華一番のマオくんを気取って。誰もわからねーってばよ。

でもそう言いたくなるのも理由がありまして…
何と、ジャンプネクストを買ってしまったんですよ。440円も出して。たった2ページの暗殺教室番外編のために。
…袋綴じだなんて知らなかったもんよー。そしてたった2ページしかないことも知らなかったし。それでも買ってしまうファン心。くそ、商売上手どもめ…!しかし、その2ページだけで440円に値するなんてお世辞でも言えない。いや、勿論流石の松井先生だからとても面白かったんだけれどね。量があまりにも少ないので。他の無名漫画家の作品とかは読む気にならないし。ていうか水着のおねーちゃん多めだし。くそう、殺せんせーの大規模お絵描き可愛いなっ!!

アイスクリーマーが欲しいです。アイスクリーム作る工程の、冷凍しながら空気を含ませる、と言う部分を代行してくれる機械ですが。某ハーゲンみたいな、ねっちりオーバーラン少なめなアイスを作りたいので空気の量とか調節できるやつを(あるかな?)。シャーベットにも挑戦したいからそれも作れるやつを。そんでもって安いやつを。ムシが良すぎ?季節限定スイーツ事件に出てくる黒ゴマアイスを再現してみたいです。いつか。

さて、今日も一日中働いてきました。でも一時間寝坊した上に何だかやる気がでなかった一日でした。花粉をなすりつける用の花の雌しべを折ったのが二本、枝そのものをバキリとやってしまったのが一本。蕾は貴重なのに~!!気が抜けていたら起こしやすい失敗ではあるけれど、久方ぶりだ。原因は…まあ、疲れてるんだろうな、自分で言うのも何だけど。昨日100個も交配したのが悪いんだ。蕾は咲くのを待ってくれないから、明日も作業ですが、カラオケなどリフレッシュを挟みつつ頑張ろうと思います。ああ、でもやらねばならんことがあれやらこれやら…。

茄子と挽き肉カレーが尽きたので、今夜はお料理しました。メニューは茄子入りこく●ろカレー。…。ルウと豚バラが残ってたんよ…(´・ω・`)

今日のニュース。
①消費税増税法案、可決だそうです。まあ、そうなるだろうね。国民が嫌だと言ったことこそやりたがるアホの小2みたいな集団だからなあいつら。冗談はさておき、財政建て直すには必要だと言うのだから。でもそんなことしたら確実に景気悪化すると思うのだが如何だろうか。消費税20%でも上手くやってる国だってありますが、それは食品など生活必需品は除外し、尚且つ福祉の面で存分に国民に還元しているからであることをお忘れなく。

②デリケートな話題だから詳しい内容は伏せますが(あ、でも前に書いてた気がする)、国を挙げて泥棒してどうするのよお隣さん。泥棒しても許されるのは二次元の美少年美青年美少女だけだぜ(?)。

労働の夏・経験の夏

『焔の誓い』(二話を書いたのが随分昔のことだなあ…)で右京くんが西瓜を六つに切った一切れを平らげていましたね。その西瓜、大玉西瓜のつもりだったんだけど、果たして十歳やそこらの子供に食べきれるかな、と疑問に思い始めました。というのも、私数日前に小玉西瓜を丸々一玉、衝動買いしてしまいまして、そろそろ鮮度が悪くなって来るかなと思ったので、昨日に適当に切り分けて一気食いを試みたんですよ。半分が限界でした…orz。大喰らいと悪名高き23歳成人女が小玉の半分でひぃふぅ言ってるんだから、あんなでかいの六つに切ったやつを子供が食べられるのか、と。
 西瓜の残りはニ三日かけてゆっくり消費します。しかし甘くないな。喉を潤すのには良いかもしれない。あと小玉西瓜は皮が薄い!でも大玉西瓜の六分の一、男の子なら食べれてしまうものかな?

 今日は、文字通り六時から六時まで働いていました。畑の自殖果実の結実具合を調べて、珍しい品種の蕾に袋掛けして自殖して、ハウスのトウガラシの交配して、花に掛ける袋が足りなくなったんで作って、また交配して、と指先と目とホッチキスを酷使しまくりました。おかげで目を閉じるとトウガラシの蕾の映像が浮かんでくるようになってしまったぜ。
 トウガラシには恨まれてるんだろうなあ。ネグレクトで生死の境をさまようのは日常茶飯事(←)だし、自由に受粉もさせてもらえないし。私の目を盗んで折角こっそり作った果実は毟られるし。
 そんな不憫なトウガラシたちに感謝しつつ、明日も朝から働く予定です。実験は月月火水木金金。

 テレビ見ないうちにメダルの数が増えていた!!いけいけー。見れないけど。

原爆の日その他

67年目のこの日。体験者が次々と亡くなる中、世界は未だに核兵器を国同士の軍事力誇示に使っている。リトルボーイとファットマンをぶち落としてくれた某国は未だに『戦争を終わらせるためには必要だった』と主張して憚らない。日本自身は電力エネルギーを未だに原子力に頼っている。

…政治的な話題であまり過激なことを言わないようにしているが、私は核兵器が無くなる日はそいつによって世界が消滅するまで来ないと思うんだ。広島の体験者たちがどんなに声高に核兵器の廃絶を訴えても、世界はあまりにも原子力と仲良しだから。
でも、時の流れは偉大なもので、当時のトルーマン大統領のお孫さんが来日して慰霊碑に献花したそうです。本国じゃ『余計なことしやがって』みたいに非難もされただろうに、その勇気が有難い。当たり前のことだけどね。帰国したら、見てきたことをより多くの人に知らせてほしい。

今日は、寝坊したし雨だったし、新しい自転車が何時か解らないけど午前中に届く予定だったしで朝のトウガラシ交配はしませんでした。夕方に少しやったもん…。
というか、自転車!午前中に届くって行ってたのに、実際に来たのは2時過ぎってどういうことだこら。それまでニコ動とイラストサイト巡りしか出来なかったんだぞ(勉強しろよ)。途中で電話を掛けてきたところによると、何でも住所の場所がわからなかったようで…宅配の人は、言っちゃ悪いが鈍そうな人でした。真面目で丁寧だったから、まあ良いけれど…。自転車本体については、慣れるまで少し時間がかかりそうです。慣れれば恐らく、盗まれた『ミゼラブルルージュ号』より便利。車輪でかいしギアチェンジできるしライトは自動で着くし。さらっと述べたけど使ってた自転車、盗まれちゃったみたいなんです。あと半年で卒業なのに誰だよもー。あんなあちこちパンクしたおんぼろ自転車盗んでも仕方ないでしょうに。

月曜日なので『暗殺教室』感想。軽ーいネタバレ注意。
カルマ編、あっさり終わりましたね。しかしそれでも充分感動。確かにセリフも展開もベタなんだけど、殺せんせーの言葉は何だかすんなり胸に入ってくるんですよ。せんせーが人型をしてないからかもしれません。
しかし…フリフリエプロンを着せられて、悔しがりながら赤面してるカルマくん、可愛いな。喧嘩早くてひねくれてるだけで、常に弱き者の味方である本質も見えて、益々好きになりました。
そして今週は呪わしき合併号。二週間次の展開を見られない…。

夕食は、久しぶりにまともなご飯を作った。それが『茄子と鶏挽き肉のカレー』。…。

『チューボーですよ!』で割りと良く登場するメニューで、私も出てくる度にレシピをメモするけれどその通りに作った試しはない。だってクミンだのカルダモンだののスパイスは、単体では売ってないし高いんだもの。適当に作ってもある程度旨いしな。ま、自分で稼ぐようになったらレシピ通りに作ってみたい。

では、今回の適当レシピ。

材料…
茄子:3本
ピーマン:3個
鶏挽き肉:大体400グラム
玉ねぎ:2つ
にんにく:でかいの3欠け
生姜:30グラム
サラダ油:大さじ3くらい
カレー粉:大さじ3くらい
ココナッツミルク:100CC行かないくらい
トマト缶:一缶(400グラム)
水:上のトマト缶に半分くらい
塩:こさじ2くらい
ブラックペッパー:挽きたてを適量

作り方…
①にんにくと生姜はすりおろし、玉ねぎはみじん切りにする。サラダ油で水分が大体飛ぶまで中火で炒める。
②一口大の乱切りにした茄子やピーマンを加え、しんなりするまで炒める。(本来茄子は素揚げするらしいけどめんどくさいからそのまま)
③トマト缶と水を加え、トマトを潰しながらひと煮立ち。
④カレー粉とココナッツミルク、挽き肉を加えて、挽き肉に火が通るまで煮込む。

以上。スパイスの香りが飛ぶとかそこらへんの方面で多分色々間違えていると思うけど、ガサツな独身女の夕食にはこれでも充分。カレーの辛味やトマトの酸味、鶏挽き肉の旨みが渾然一体で良い感じだ。でも何かしか、パンチが足りないかも。それが正統派レシピと適当レシピの差なんだろうか。

大したことしてない一日だったのに、日記がめちゃくちゃ長い謎。

福原愛、銀メダル以上確定おめでとう。実力にムラが多い人だと思ってきたけど、よく頑張ったものだ。あと一息。

空想科学少女

少女なんて年齢じゃねえよな。しかし、何歳までの女性であれば少女と呼んで良いのかな?やっぱ成人式まで?なんの話かというと、空想科学読本というものを初めて買ってみたのですよ。ハガレンの、エド曰く「子供の小遣いでも買えちまう」人体の構成元素を実際に全部揃えたら四万円超えると言う記事に爆笑。まあ…エドは高給取りだしね…。しかも法律で子供には買えない元素(りんとかフッ素とか)もいくつかあるとか。
個人的に、ネウロのヤコちゃんが底無しの食欲の癖にスリムである謎を解明して欲しい。あ、もしかしてネウロが常々求めている『究極の謎』って、これじゃね?

今日は五時半に起きてトウガラシの花の交配やってました。朝夕合計して六時間はおしべを取ったり花粉つけたりやっていましたが、ビニールハウスのも畑のも、結構沢山できました。今まで留守にしていて実験出来なかった分を早く取り戻さねば。昼はかなり久々にカラオケ行って、たっぷり二時間半も戸川純とアリプロと谷山浩子を歌いまくってきたし、今日は仕事も遊びも充実した一日でした。

最近あまりお腹が空きません。今日みたいに動きまくればそりゃ、ある程度は減るんだけど、おにぎり二つで満足してしまいます。夕食なんか、ここのところずっと(注:実家での夕食は除く)果物オンリーです。今日はオレンジ。研究室一の無駄食い娘にとっては割りと一大事。でも暑いからさ~。とは言いつつ、朝早くの風には何か秋めいた涼しさを感じるのは気のせいだろうか。トウガラシも早くに結実したやつは赤くなりだしたし…。余談だがたらこおにぎりは、ローソンよりセブンイレブンのがたらこの量がボリューミー。30円高いだけのことはあるな。

斉藤八雲はぴばー

チャーハンの具なんて有り物でいいけどネギだけは外しちゃいけないと思うの。あと卵と何らかの肉類は欲しいかな。夏は梅干し入れるよ。今日作ったのは少し焦げたよ。至高にして究極のチャーハンへの道は遠い。

地元のパン会社の面接に行ってまいりました。こいつは臭え~っ、院生は採らない臭いがぷんぷんするぜ。地方密着型の中小製パン企業って…何だか院生に対して卑屈な気がするよ。別に三年研究してようが仕事ならパン生地練るのだって売り子だってやるつもりですが。パンの匂いは大好きだし。

ネウロ、20巻だけが手に入りません。ネウロのためだけにBOOK・OFFを三軒も回ったんですが…「小娘お退き、ネウロ様の靴を舐めるのはこの私よっ」がもう一度見たかったのに…血族というか、シックスは…マンガ読んでてこんなに胸糞悪いと思ったキャラは初めてかもしれない。読者をそこまで不快にさせるキャラを作れる松井先生って本当に頭が良いんだなあと思うよ。あと単行本のおまけに時々書いてある頭の体操的なクイズも。浅田先輩の食べた串焼きの数がどうしても解らない…

今日のニュース。
脱法ハーブの民主規制案。民主党作業チームが対策を検討しているらしい。指定薬物の指定手続きの迅速化が目標。遅いよ。今さらかい。化学構造が似ている物質がすぐに出てきてそれをまた禁止しなきゃならないのもアホらしいでしょうに。

あと体操選手の内村選手が金メダルとか、北朝鮮が金メダル沢山取ってるとか、ソニー赤字246億とか。
ロンドン五輪、日本ガンバレー。あんまり観てないけど…

8月に入ってしまったよ

季節ばかりが通りすぎ。やめろっ、やめてくれええ。

何日も寝込んでいるわけにいかないので朝7時、農場に行ったら先生に「帰れ」と言われますた…無理するな、寝てろとのこと。作業遅れていて代わりにやっていただいているのに、申し訳ない。しかし家から出たらやらなければならないことをいくつか思い立ってしまい、買い物したり振り込みしたりなんだかんだで家に戻ったのは10時でした。それからずっと寝てました。でも履歴書とゼミ準備はしないと。

さらっとこっそりサンデー感想。

銀の匙…何か馬具とか外れて振り落とされそうになりながらも必死でマロン号にしがみつき、ゴールする八軒。レースの結果は4位。こんじょだ根性。

りんね…幽霊が想いを寄せて未練になってた想い出の美少女やら美少年が実はもうおっさんおばさんになってたネタが留美子先生のマイブームっぽいですな。いや、昔も描いてたっけ。使い古されたネタなのにうっかり噴いてしまったのは秘密のアッコちゃん。

おすもじっ…彩香ちゃん久し振り、割りとおなつかしゅーございます。二次勝負は司ちゃんに勝たせたいから、彩香の作った試作品の寿司が不味くてもひきつった笑顔で「旨いよ」と褒める寿に、ついに疑念を抱く彩香。ただのお兄ちゃんバカのヤンデレ娘でなく、意外に頭が回る子らしいですね(←ひでえ)。いやー、お兄ちゃんの化けの皮が剥がれたとき、どんな修羅場が展開されるのか今から楽しみだ。と、そこで『料理マンガなんだから料理に懸ける情熱で話を構成しろや』と、毎週しているツッコミを思い出す。

明日は、4時には起きて帰省前に苗の移動と花の自殖・交配をして、10時台のバスには乗って、静岡に帰ったらBOOK・OFFにネウロ(必然ではないけれど…)を取りに行き、読む暇もなく面接練習と。忙しくなりそうだ。でも暇より良い。
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