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暗殺教室(イト村):キスを

戸川純の楽曲より。ホモォ。イト村練習。ラブラブは苦手だけど頑張ってドス甘?な話描いてみたよ。でもいちゃついてるだけの話です。ABCならギリギリAまでですが、結構克明なので苦手な方は注意。まあ、ブログに載せても特に問題ないでしょう。


 爪先立ちして、村松の首に腕を回す。力を込めると、村松は俺の意を汲んでかその場に立て膝をついて座った。俺は村松の肩に手を置いて少しだけ身を屈め、目線が同じ高さになった村松の目をじぃっと覗き込む。日が沈みきって薄暗い部屋の中、村松の顔がぼんやり白く浮かび上がって見える。
「…何だよ」
 村松がはにかむように気まずそうに笑う。
 解っている、くせに。
 俺は村松の頬に手を添えて、ゆっくりと目を閉じる。村松も嫌がったりはしなかった、そのまま距離がゼロになって、唇が重なる。一回、二回、三回、兎に角何回でも、軽い口付けを重ねてみる。
 やがてそれでは物足りなくなって、少し舌を出して村松の唇を舐めてみた。
 村松の唇はややカサついていた。秋も遅いし空気も乾燥しているので仕方がないとは思うが、それではいけない。
 治すつもり…でも無いけれど、ぺろぺろと少しだけ乾いた箇所を重点的に舐めてやると、
「っ、犬じゃねえんだから」
 村松が少しだけ鬱陶しそうに俺の額に手をやって押しやろうとした。気に入らなかったので、拒絶を表すその手首を掴んで持ち上げて、もう一度口付ける。ぴったり合わせた頑なな唇に、舌先を触れさせてやれば、村松は仕方無さそうに唇を開いた。そうなれば、俺はもう遠慮無く入れさせてもらう。村松から求めるのではないのが甚だ不満だが。僅かな隙間に舌先を滑り込ませる。歯列を軽くなぞり、もっと深く舌を入れてやると、村松の舌に触れた。
「ふ…っ…」
息苦しいのか気持ち良いのか、村松は時折声を漏らす。視界が悪い分感覚が鋭敏になっているのかもしれない。
そういう声は、中々色気があると思う。小悪党面のくせに。じわりじわりと、体温が上がる気がする、特に頭とか腰の奥とか。
好きな相手だし、そーゆーことに興味しかない思春期真っ最中なので、まあ、もっと深いところで触れ合いたい気持ちはとてもある。しかし少し調べてみたところ、男同士でそういうことをするのは結構大変なことらしくて。慣れない行為で痛めつけるのもあまり気が進まなくて、今の所は精々、今みたいにキスしたり、身体に触れ合う程度に留めている。
唇を合わせながら、村松の頭に手を回して、髪に触れたり、肩を撫でたり、胸元に手を押しつけたりしてみる。とくんとくん、鼓動がなるのを手のひらに感じる。厚い冬服の生地が邪魔だけど。村松がちゃんと生きて、ここにいる証。俺の傍らにいる証。
予期せず失ってきたもの、これから失うかもしれないもの、それに村松が含まれているかもしれないとか思うと、堪らなくなって、もっともっとこいつの存在を直に感じたくなる。

部屋に入るなり、電気も付けずにイトナは俺に抱きついてきた。首に回してきた腕に込めた力の向きで座れと言ってきたので、しゃがんでやったらしつこいキス攻撃が始まった。
いつものことだが藪から棒に発情するのは止めてくれ。
その願いは届かず、俺は結局イトナのなすがままになる。唇、乾き気味なのは気づいていたがついぞほっといていた。ていうか、男があんまりそーゆー部分手入れするのもなんだかと。それをイトナがやたら気にして犬みたいに舐めてくる。
いや、それ却って荒れるから。
やめろと押しやってやれば、怒らせちまったのか乱暴に腕を掴んで頭の上に持ち上げようとしてきた。今更抵抗する訳じゃ、ねえっての。肉体改造の名残か、コイツは俺よりかなりチビで細っこい割に力が強い。
そしてまたしてもキス、今度は舌を入れさせろと催促してくる。渋々、唇を開けてやり、イトナを受け入れてやる。
ディープキスのやり方というのは中々難しいモノがある、ホントは中学生は読んじゃいけない書物や漫画を観てみても、そんなシーンはよく目にする割に実践するとなると中々ピンと来ない。ビッチ先生のヒワイな授業のお陰でどういう風にやるのかくらいは解るけれど、口内で食玩を組み立てるほどお口が器用なあの人がやるみたいに再現できるわけもなし。
イトナも例に違わず、そう巧くはいかなかった。イトナがテキトーに口の中引っ掻き回してくれた所で息苦しいだけだ。…身体の奥がぼうっとしてくるあたり、それだけでは、無いのかもしれないけど。
イトナはキスを繰り返しながら俺の身体にぺたぺたと触れてくる。髪とか肩とか、胸元とか。その手の動きが、次第に速く深いものになる。
イトナが唇を離す。唾液で糸が成されて、儚く俺と繋いでいる。まるですがりつくみたいに。
イトナが大きな目に熱を込めて、俺を見つめながら訊いてきた。
「脱がして、良いか」
「ダメ」
流石に、それは。まだ風呂入ってないし、一階じゃ親父が元気にへいらっしゃい連発してるし。
それを説明したら、イトナは不満そうな顔をしたが、俺の背中に腕を回して胸に顔を押しつける格好で大人しくなった。
「…何だって、いきなり」
俺が今までの行為の理由を訊くと。
「…風が冷たくて、月が欠けてたから」
イトナはそんなことを呟いた。
「その時が、確実に近づいていると思うと。せっかくお前を知ることが出来たのに、また失うかもしれないと思うと」
胸元でぼそぼそ呟くイトナの表情は窺い知れなかった。もしかしたらいつもの無表情のままかもしれないし、涙の一つでも浮かべてるかもしれない。
コイツは。堀部糸成は。小学生と見紛うくらいガキっぽい容姿の割りに普段頭も良いし思慮深くもある、でも。やっぱりコイツは俺と同じ、ただの中学三年生、なんだろう。
ただの中学三年生に世界の命運を託すことがどんなに残酷か、偉そーにふんぞり返る政治家たちは、大人たちは、多分知らない。
「大丈夫、俺はどこにもいかねえよ」
確約なんかされていない。でも、俺はなんだかんだで好きなコイツを安心させるために言ってやる。
「嘘吐きだな、お前」
イトナは悲しそうに笑う。
…まあ、バレてるわな。詫びと言っちゃあなんだが、俺はイトナの背中に腕を回してやる。
イトナはこてんと、俺の胸に頭を預けて、目を閉じていた。
「…次の暗殺、上手く行けばいいな」
俺はイトナの髪に指を通しながら言った。イトナは何も言わなかった。

窓から見える三日月は、虚ろな真珠色に光りながら空高く浮かんでいた。



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